「どこでつまずいてるの?」がわかると、子育てはラクになる
伝わらない悩みを、ちょっとした工夫で乗り越える方法
【1】「なんで伝わらないの?」という悩み
子育てをしていると、「何度言ってもわかってくれない」と感じる場面はよくあります。
勉強のことだったり、日常のマナーだったり、親としては当たり前だと思っていることが、子どもにはなかなか伝わらない。
ついイライラしてしまって、「こんなに説明してるのに…」と悩んでしまうこともありますよね。
【2】“伝わらない”の裏には「理解のズレ」がある
でも実は、子どもが“分かっていない”のではなく、**「分かっていない部分が、私たちが思っているところとズレている」**だけかもしれません。
たとえば、足し算の「2 + 3」ができないとき。
「答えが出せない=計算が分かってない」と思いがちですが、実はもっと前の段階――
「2って何?」「3を表すってどういうこと?」があいまいなまま進んでいる場合もあるのです。
【3】“できているところ”まで戻ってみよう
こういうとき大切なのが、「遡って確認する」こと。
いきなり難しいことをもう一度説明するのではなく、子どもが理解できている“手前の段階”まで戻るのです。
たとえば、「3って何?」と聞いてみる。
→「指で3本だよ!」と答えられたら、そこはOK。
じゃあ「2本足したら、いくつになるかな?」と、そこから一緒に考えてみる。
こうして一歩ずつ「分かっているところ」から積み上げると、子ども自身も納得しやすくなります。
【4】日常の場面でも“つまずき”を見つけてみよう
これは勉強だけでなく、日常生活でも同じです。
「片付けて!」と言っても動かないとき、「どうして言うことを聞かないの?」と感じるかもしれません。
でも実は、
「“片付ける”ってどういうこと?」
「どこに片付ければいいのか分かってない」
「そもそも今は片付ける時間だと気づいていない」
といった理由が隠れているかもしれません。
【5】“分かっていること”をヒントに、伝え直そう
子どもが理解できている部分を見つけたら、そこから再スタート。
「これは分かってるね!じゃあ次はこうしてみようか」と、“できていること”をつなげながら進めることで、理解がスムーズになります。
たとえば、
「このおもちゃは元の場所に戻せたね!じゃあ次はこっちも一緒にやってみようか」
というように、子どもが成功を積み重ねられる声かけを意識してみましょう。
【6】伝わらないときこそ、冷静に
思うように伝わらないと、つい感情的になってしまうこともあります。
でも、「なんで分かんないの!」と怒ってしまうと、子どもは内容ではなく「怒られたこと」だけを覚えてしまいます。
うまくいかないときこそ、
「そっか、ちょっと難しかったね。一緒に考えてみようか」
と、気持ちを切り替えて向き合うことが大切です。
【7】“今はまだ分からないだけ”を忘れないで
子どもは毎日成長しています。
昨日は分からなかったことが、今日ふと分かることもあります。
だから、今できないからといって、ずっとできないわけではありません。
大人が焦らず、「今はそのタイミングじゃないだけ」と思って待つことで、子どもは安心してチャレンジし続けられるのです。
【8】できた!を見逃さずに伝えてあげよう
そして何より大事なのは、「できた!」という瞬間を見逃さず、しっかり褒めてあげること。
「分かったね!」「やってみてすごかったね!」
その一言が、子どもにとって次へのエネルギーになります。
「伝える子育て」から、「伝わる子育て」へ。
少しずつで大丈夫。一緒に歩いていきましょう。