「もっといい人がいるかも」の罠
― マッチングアプリ・結婚相談所で迷子になる理由 ―
🟧はじめに|相談から見える“婚活ループ”の真実
「マッチングアプリも結婚相談所も、いい人がいません。
もっと理想の人がいるかもって思ってしまって、誰とも決められない。
これって私だけ?それとも業界の策略…?」
実はこの悩み、婚活中の多くの人が感じている“婚活ループ”という心理現象の一つ。
そして、マッチングアプリや結婚相談所の仕組みやビジネスモデルにも、私たちが迷い続けてしまう原因があるのです。
🟧1. 婚活ループとは? ―「選べない人」になってしまう現象
婚活ループとは、“もっといい人がいるかも”と感じ続け、誰とも決められなくなる状態のこと。
- アプリでは1000人以上が候補に
- 人は7人以上を比較すると判断力が下がる(認知心理学より)
🔍参考:Barry Schwartz著『選択のパラドクス』
「選択肢が多すぎると、満足度は下がり、後悔が増える」との研究結果も。
🟧2. マッチングアプリの“巧妙な設計”にご用心
マッチングアプリは“あなたがずっと使い続けてくれること”が収益源です。
- 滞在時間が長いほど広告収益UP
- あなたの好みに近いけど「決め手に欠ける」人を表示
- 「いいね!」は小出しに表示され、続きが気になる設計
→ 結果:選ぶことが目的化し、誰とも深い関係に進めなくなる
🟧3. 結婚相談所のビジネス構造とは?
一方、結婚相談所もビジネスです。
利益の構造を理解しておくことが、婚活疲れを防ぐ鍵になります。
🏢主な収益モデル(例:IBJ加盟相談所)
- 初期費用:10~20万円
- 月会費:1万~2万円
- 成婚料:10万~20万円(退会時)
成婚してすぐやめられるより、長く活動してもらう方が安定収入になるため、積極的に“短期成婚”を促すとは限らないケースも。
🟧4. 「もっといい人がいる」は錯覚かも?
この心理は「選択の錯覚(Illusion of Choice)」と呼ばれます。
- 条件検索に慣れすぎると、理想像が肥大化
- 一人ひとりを「比較素材」として見る癖がつく
- 本来大切な安心感や価値観の一致が埋もれてしまう
📊交際満足度調査(結婚情報センター調査):
「理想よりも、一緒にいて自然体でいられる人」を選んだ人の方が結婚後の満足度が高い傾向に。
🟧5. 婚活疲れの正体とは?
婚活が長期化すると「婚活疲れ」に陥ります。
その原因は、脳と心のエネルギーが消耗しきっているから。
主な要因:
- 決断疲れ(decision fatigue)
- 断られる経験による自己否定
- 比較のしすぎによる自己肯定感の低下
📚ゼクシィ調査:65%のユーザーが「婚活で自信を失った」と回答。
🟧6. 「見る目」を養うということ
理想の条件だけを追いかけるのではなく、“相性”に目を向けましょう。
チェックポイント:
- 3回会っても違和感がない
- 沈黙が苦でない
- 一緒にいて笑えるか
→ 安心感こそ、将来の土台になります。
🟧7. 選ぶ基準を“3つ”に絞ろう
選ぶ基準が多すぎると判断できなくなります。
以下のように、基準を絞ると決断しやすくなります。
例:
- 居心地の良さ
- 誠実さ(レスポンスや言動)
- 生活観や金銭感覚など、価値観の一致
→「完璧な人」より「一緒に未来を描ける人」を選ぶ。
🟧8. 業界の仕組みを“知って”使いこなそう
業界に流されず、主導権を取り戻すことが重要です。
アドバイス:
- 結婚相談所:担当者が“成婚にコミット”しているか確認する
- アプリ:自分軸を明確にし、プロフィールや条件を見直す
- 定期的に振り返る:婚活の目的を見失わない
→ 「サービスに使われる」のではなく、「サービスを使いこなす」意識を持とう。
🟧まとめ|幸せを選ぶのは、あなた自身
婚活がうまくいかないのは、あなたのせいではありません。
その背景には、人間の心理と業界の仕組みが巧妙に絡み合っています。
「もっといい人がいるかも?」と迷ったら、
“条件”ではなく、“一緒に笑える人”を思い出してください。
婚活のゴールは、選ばれることではなく、自分が納得して選ぶこと。
そして、その選択は、あなたの人生を確かなものにしてくれます。