就活、何を考えればいいの?
悩むあなたに贈る、自己分析と企業選びの地図
はじめに:不安なのは、あなただけじゃない
「何を軸に就活をすればいいか、分からない」
「やりたいことも特にないし、自信もない…」
就活中の大学生の多くが、こうした悩みを抱えています。
SNSや周囲の動きに焦りを感じながら、「何となく」就活を進めてしまう人も少なくありません。
でも、本当は就活の正解は一つではなく、“自分なりの納得”をどう築くかが何より大切。
このエッセイでは、迷ったときに立ち戻れる“地図”のような考え方を、項目ごとに丁寧に解説していきます。
第1章:就活は「選ばれる」だけじゃない。「選ぶ側」であることを忘れない
多くの人が誤解しているのが、
就活=企業に評価される活動、という考え方。
たしかに内定をもらうためにはアピールも必要ですが、同時に重要なのは、「あなたが企業を選ぶ」視点を持つこと。
人生の大半を過ごす可能性のある「職場」を、ただの通過点にしてしまってはもったいない。
将来の理想の生活や価値観に合う企業を見つけることが、真の“マッチング”につながります。
第2章:就活の3つの思考軸——Will・Can・Need
就活の軸は、大きく分けてこの3つ。
- Will(やりたいこと)
- Can(できること)
- Need(求められること)
この3つが重なる地点を探すことが、キャリア選びの王道だとされています。
ただし、学生のうちは「Will」が曖昧でも構いません。
まずは「Can」と「Need」から現実的に考える方が、手ごたえを感じやすくなります。
第3章:「やりたいことがない」は、実は普通
学生に「やりたいことある?」と聞いても、「特に…」と答える人がほとんど。
それもそのはず、社会経験が少ない中で“夢”や“志”を明確にするのは難しいものです。
でも、**「心が動いた瞬間」**を思い出せば、手がかりはあります。
- 心から熱中したこと
- 時間を忘れて調べたテーマ
- 周りより楽しんで取り組めた活動
こうした経験を深掘りすることで、「Will」は少しずつ形になっていきます。
第4章:「できること」は、過去のあなたの中にある
自己PRやガクチカに悩む人ほど、「特別な成果がない」と言いがち。
でも、他人から見て“普通じゃない”あなたの強みは、実はたくさんあるんです。
- 友達から相談されがち
- 細かい作業を苦にしない
- 話をまとめるのが得意
こんな小さな特徴こそが、あなたの“できること=Can”。
それらは職種や業界によって、大きな強みに変わるのです。
第5章:「求められること」は、調べれば見えてくる
社会がどんな人材を求めているのかは、客観的な情報を見ればわかります。
たとえば経済産業省の「未来人材ビジョン(2022)」では、
✅ デジタル人材(DX)
✅ グリーン分野(GX)
✅ 観光・地域創生
✅ 医療・介護・福祉
などが、今後特にニーズが高まる領域として挙げられています。
「Need」の視点で見ることで、就職後の成長機会が豊富な分野が見えてきます。
第6章:「どんな仕事」ではなく「どんな人生」を送りたいか
やりたい仕事が見つからないときは、逆に「どんなライフスタイルを送りたいか」から考えてみましょう。
- 結婚や育児を考えて働き方に柔軟性を持たせたい?
- 海外で活躍したい?
- 地元で地域に貢献したい?
未来の自分を描いてみると、働き方や企業の風土などに目が向き、選ぶべき方向が自然と定まってきます。
第7章:「業界選び」より「成長できる環境」重視の考え方
「業界研究」が就活のスタートだと思われがちですが、
実は「どんな環境で働くか」の方が満足度や定着率には大きく影響します。
✅ 若手に裁量があるか
✅ 社内に相談しやすい文化があるか
✅ 研修やスキルアップ制度が整っているか
たとえば、入社3年以内の離職理由1位は「人間関係」や「成長実感のなさ」。
だからこそ、“環境選び”はとても大切なんです。
第8章:就活のゴールは「内定数」じゃなく「納得感」
たくさん内定を取ることがゴールではありません。
大事なのは、「自分で考えて、自分で決めた」と納得できること。
友人と比較して焦る気持ちもあるでしょう。
でも、就活は**「自分との対話」**です。
向き合った時間は、将来の決断にも活きてきます。
結果よりも、過程にこそ意味があります。
おわりに:焦らず、でも止まらず
悩んでいるということは、ちゃんと向き合おうとしている証拠です。
だからこそ、今の不安にフタをせず、自分に合った形で“動き始める”ことが大切。
完璧な答えなんて必要ありません。
でも、“納得のいく選択”は、少しずつ形づくっていけます。
📝まとめ
軸 | 内容 | 考え方のヒント |
---|---|---|
Will(やりたいこと) | 心が動いた瞬間 | 過去の熱中・達成感 |
Can(できること) | 自然にできること | 他人から褒められたこと |
Need(求められること) | 社会や業界のニーズ | 公的レポートや統計データ |
就活は、社会に出る前の“最後の自己対話”の場。
だからこそ、焦らず、でも止まらず、一歩ずつ進んでいきましょう。