退職代行を使う前に…
必ず考えてほしい「未来のあなたの信用」
「退職代行を使えば、会社にもう顔を出さなくていい」
「上司に嫌な思いをせずに、すぐ辞められる」
そんな言葉を目にして、「使ってみようかな」と思ったことはありませんか?
退職代行というサービスは、ここ数年で一気に広まりました。
LINEで申し込めて、即日退職できる。
あなたの代わりに、会社に「辞めます」と伝えてくれる――
それは、確かに心が追い詰められている人にとって、救いの手になることもあります。
けれど、その「辞め方」、本当にあなたの未来に何も影を落とさないと言えるでしょうか?
退職代行が増えている理由は、「限界」にある
今、退職代行を利用しているのは、主に20代前半~30代の若者。
社会人になってすぐの人や、非正規雇用で働く人の利用が目立ちます。
理由の多くは、精神的な不調や、職場での孤立、そして「上司に辞めると伝えることが怖い」という切実な思いです。
SNSでも、「退職代行で辞めました!」という投稿がバズる時代。
ハードルはどんどん下がって、「気軽なサービス」として広まっているのが現実です。
「バレないから大丈夫」って、本当にそう?
退職代行を使っても、履歴書には書かない。
だから転職先にバレることはない――そう思っていませんか?
でも実は、さまざまな“綻び”から、辞め方は見抜かれてしまうのです。
たとえば、退職時の書類が整っていない、引継ぎが一切行われていない、
あるいは、面接で「なぜ辞めたの?」と聞かれたとき、説明が曖昧になる…。
人事担当者は、これまで何百人、何千人という退職・採用を見てきています。
綺麗ごとではなく、“どこかおかしい”と感じたとき、そこから見えてくる人間性を、プロは見逃しません。
キャリアと信用は、「辞め方」で崩れることがある
たとえ退職理由が体調不良でも、パワハラでも、
「どうやって辞めたか」が評価に影響することは珍しくありません。
推薦状が出ない、退職証明がもらえない、
あるいは、「あの人、代行で急に辞めたらしいよ」と業界内で噂が広まる。
辞めることが悪いわけじゃありません。
でも、辞め方を誠実にしなかったことが、信用の損失につながるのです。
優秀な人ほど、「自分でケジメをつけている」
退職代行の利用者は、追い詰められている人が多いのも事実です。
使わざるを得ない事情もあるでしょう。
でも、信頼を失わない人にはある共通点があります。
それは、最後まで「自分の責任でケジメをつけている」という姿勢です。
引継ぎのメモを残す。
感謝の気持ちを伝える。
面接で退職理由を誠実に説明する。
たとえ代行を使っていたとしても、それだけで評価は変わるんです。
そして一番怖いのは、業者トラブル
退職代行は、どこに頼んでも同じ…ではありません。
最近は、LINEだけで連絡を取る業者も多く、
中には途中で連絡が取れなくなったり、違法な“非弁行為”をしている業者もあります。
実際、代行業者が会社に退職の連絡を忘れていたせいで、
給料未払いのまま終わってしまった例もあります。
あなたの人生を預ける相手です。
しっかりと見極めなければ、退職どころか「新たなトラブルの始まり」になってしまいます。
退職代行を使う前に考えてほしい「たった一つのこと」
退職代行を使うことが悪いのではありません。
でも、それを使って“どう辞めるか”には、選択の余地があります。
・引継ぎを最低限でも用意する
・丁寧な退職願を残す
・信頼できる代行業者を選ぶ
・面接で自分の言葉で説明する準備をする
どれも時間がかかることではありません。
でも、それだけであなたの信用は守られます。
最後に伝えたいこと
辞めるのは、逃げじゃない。
でも、**辞め方を選ぶことは、未来の自分を守る“投資”**です。
退職代行というサービスを使うにしても、
“楽に辞める”のではなく、“誠実に辞める”ことを忘れないでください。
それが、次の職場での「信頼」をつくる第一歩になるのです。