SPIは暗算?筆算?Webテストの計算問題で焦らないための対策

SPIの暗算は必要?筆算との使い分けと計算を速くするコツ
SPIの暗算対策では、すべての計算を頭の中だけで解けるようになる必要はありません。すぐに答えが出る部分は暗算し、条件が多い問題や途中の数字を忘れそうな計算は、認められたメモ用紙で整理しましょう。電卓の使用可否は、受検方式と受検案内を確認する必要があります。
「暗算でやらないと間に合わない?」「筆算してもいい?」「計算問題になると時間が足りない」。SPIの対策を始めると、こうした疑問が出てくることがあります。
計算に時間がかかる原因は、暗算の速さだけではありません。問題文の条件を読み取る、式を立てる、数字を計算する、答えを確かめる。そのどこで手が止まるかによって、練習する内容は変わります。
この記事では、SPIの暗算と筆算の使い分け、計算を短くする5つのコツ、割合・比・速さの考え方を例題で整理します。後半には、解説を開いて確認できる練習問題も用意しました。
01 / すぐに計算できる部分
暗算
途中の数字を無理なく覚えていられる?
たとえば240の25% → 240÷4=60
02 / 条件や途中式の整理
メモ・筆算
書いた方が迷わず進められる?
たとえば「元の値」「増えた量」「求めるもの」を分ける
03 / 使用が認められる場合
電卓
その受検方式で使用できる?
使うときも式・入力する数字・答えの桁を確認する
SPIは筆算していい?電卓は使える?まず受検方式を確認
「パソコンで受ける」「自宅で受ける」という情報だけで、使える道具を判断しないようにしましょう。SPIのテストセンターには、会場に出向くリアル会場と、自宅などから監督者につないで受けるオンライン会場があります。オンライン会場とWEBテスティングは別の受検方式です。SPI公式:テストセンター情報、SPI公式:WEB形式の受検方式
| 受検方式 | 電卓 | 筆記用具・メモ用紙 |
|---|---|---|
| テストセンター リアル会場 | 使用できません | 会場で用意されるものを使います。私物の筆記用具・メモ用紙は使えません。 |
| テストセンター オンライン会場 | 使用できません | 自分で用意し、監督者の確認を受けます。公式案内では鉛筆またはシャープペンシル、A4の白紙は合計2枚までです。 |
表の参照:SPI公式「テストセンターに関するよくある質問」(確認:2026年9月19日)。実際の受検では最新の受検案内と監督者の指示を確認してください。
このように、電卓が使えないことと、途中式を書けないことは別です。認められた用紙を使って、筆算や条件整理を行うことができます。
WEBテスティング、インハウスCBT、ペーパーテスティングを案内された場合は、その案内で電卓の可否や必要な用具を確認しましょう。テストセンターの持ち物を、別の方式にそのまま当てはめないことが大切です。練習するときも、本番で使える道具に合わせると、準備する内容がはっきりします。
SPIの暗算と筆算は、どう使い分ける?
目安になるのは、計算が何桁かだけでなく、「頭の中だけで進めても、条件や途中の数字を見失わないか」です。得意な計算には個人差があるため、必ず暗算する範囲を一律に決める必要はありません。
| 場面 | 取り組み方の目安 | 理由 |
|---|---|---|
| 25×4、120÷4など | すぐに答えが出るなら暗算 | 短い手順で処理しやすい |
| 割合の基準が変わる | 何を100%にするかメモ | 計算できても式を取り違えやすい |
| 小数や複数の途中結果がある | 式や中間の値を書く | 桁のずれや数字の忘れを防ぎやすい |
| 人数・金額・時間など条件が多い | 必要な数値を表や短い式に整理 | 何の数字か確認しながら進められる |
たとえば「240の25%」なら、25%=4分の1と考えて240÷4=60と計算できます。一方、「240円から25%値上がりした後、さらに10%値引きした価格」なら、240×1.25×0.9という式を残した方が、順序を確かめやすくなります。答えは270円です。
一つの問題の中で併用して構いません。条件と式は書き、240×1.25=300、300×0.9=270という計算は暗算する、といった進め方です。
暗算している途中で同じ計算を何度もやり直すなら、途中結果を一つ書いてみてください。「書かないこと」より、正しい手順で最後まで進めることを基準にします。
SPIの暗算を速くする5つのコツ
複雑な暗算技術を一度に覚えるより、計算しやすい形に置き換える方法を少しずつ使ってみましょう。以下の例題は、計算の考え方を説明するために作成したものです。
1.10・100・半分・4分の1に置き換える
25は100の4分の1です。そのため、25を掛ける計算は、100を掛けてから4で割る形にできます。
例:48×25
48×25
=48×100÷4
=4,800÷4
=1,200
48÷4を先に計算して、12×100=1,200としても同じです。
35×20なら、35×2×10=700。かけ算全体を一気に処理しようとせず、自分が迷わず計算できる形に分けます。
2.よく使う割合を分数に置き換える
割合を見て、分数の形がすぐに浮かぶと、計算の選択肢が増えます。
| 割合 | 分数 | 計算の例 |
|---|---|---|
| 50% | 1/2 | 360÷2=180 |
| 25% | 1/4 | 240÷4=60 |
| 20% | 1/5 | 150÷5=30 |
| 10% | 1/10 | 230÷10=23 |
| 12.5% | 1/8 | 320÷8=40 |
15%なら、10%と5%に分ける方法もあります。240の10%は24、5%はその半分の12なので、15%は24+12=36です。毎回同じ方法に固定せず、数字を見て計算しやすい方を選びましょう。
3.小数は「何倍したか」を残して計算する
小数が苦手なら、いったん整数として考える方法があります。ただし、最後に桁を戻す必要があります。
例:1.25×8
1.25×8
=125×8÷100
=1,000÷100
=10
1.25を125にすると100倍になるため、最後に100で割ります。
割り算の場合は、割られる数と割る数を同じ倍率で変えます。たとえば4.8÷0.6は、両方を10倍して48÷6=8です。「小数点を何となく動かす」のではなく、元の式と同じ値になる理由を確認しましょう。
4.概算で答えの大きさを確かめる
概算は、細かい計算に入る前や計算後の確認に使えます。たとえば2.9×4.1は、3×4に近いので、およそ12になるはずです。正確な答えは11.89です。
もし1.189や118.9になったら、小数点の位置を見直すきっかけになります。ただし、近い値の選択肢が並ぶときや正確な数値を求められるときは、概算だけで答えを決めないようにしましょう。
問題に「小数第2位を四捨五入」などの指示がある場合も、どの段階で丸めるかに注意します。途中で何度も丸めると、最後の値がずれることがあります。
5.大きく掛ける前に、式を小さくする
掛け算を先にすべて終えるより、共通する数で整理した方が楽になる場合があります。
例:48×25÷100
48×25÷100
=48×(25÷100)
=48×1/4
=12
ただし、計算の順番を何でも入れ替えてよいわけではありません。48÷(2×3)は8ですが、48÷2×3は72です。割る範囲や括弧を保ち、同じ意味の式に直すことが前提です。慣れるまでは、変形した式を一行書いて確かめてください。
割合の計算は「何を100%にするか」で決まる
「割合の問題が苦手」と感じるときは、かけ算の練習だけでなく、基準となる量を確かめてみましょう。同じ20%でも、何に対する20%なのかで式が変わります。
「何%か」「何%増えたか」「増えた後」は別の質問
人数が200人から240人に増えた場合を考えます。
| 求めるもの | 式 | 答え |
|---|---|---|
| 増えた人数 | 240−200 | 40人 |
| 何%増えたか | (240−200)÷200×100 | 20%増 |
| 元の人数の何%か | 240÷200×100 | 120% |
20%と120%を取り違えた場合、計算ミスとは限りません。「増えた分」を求めるのか、「増えた後の全体」を求めるのか、設問の最後を確認する練習が役立ちます。
20%下がって20%上がっても、元には戻らない
1,000円の商品を20%値下げすると800円です。その800円から20%値上げした価格は、800×1.2=960円になります。
基準が変わる例
1,000×0.8×1.2=960円
値下げ額は200円、値上げ額は160円。二つ目の20%は、800円を基準にしています。
「20%を引いて20%を足すから同じ」と考えず、変化するたびに基準を確認しましょう。元の1,000円に戻すなら、800円に対して200円増やすので、200÷800=0.25、つまり25%の値上げが必要です。
比・速さの問題も、式を立ててから計算する
比は「合計に対する何個分か」を考える
2,500円をAとBで2:3に分けるとします。Aの2とBの3を合わせると、全体は5個分です。
- 全体の比の合計は、2+3=5。
- 1個分は、2,500÷5=500円。
- Aは500×2=1,000円、Bは500×3=1,500円。
最後に1,000+1,500=2,500と合計を確かめます。Aの分を求める式を、2,500×2÷3にしないよう注意しましょう。3はBの比であり、全体の比ではありません。
ここでも、2,500÷5の計算そのものより、「全体は5個分」という整理が先です。計算が合わないときは、数字を入れ直す前に、何で割るべきかを確認します。
速さは、距離と時間の単位をそろえる
基本の関係は「距離=速さ×時間」です。ただし、時速に秒をそのまま掛けることはできません。
例:時速72kmで10秒間進む距離
72km=72,000m
1時間=3,600秒
72,000÷3,600=20m/秒
20×10=200m
時速から秒速への換算は「÷3.6」でも求められますが、最初はkmをmに、時間を秒に直す意味を押さえましょう。数字の横に単位を書くと、何を求めたのか見失いにくくなります。
「速度の計算だけならできるのに、文章題で間違う」場合は、計算練習と単位の整理を分けて取り組むのがおすすめです。
筆算を増やしすぎない、メモの取り方
メモは、問題文を書き写すためではなく、考えるための手がかりを残すものです。まずは「求めるもの」「必要な条件」「式」の3つに絞ってみましょう。
たとえば「定価2,400円の商品を15%引きで買うと、支払額はいくらか」という問題なら、次の程度で十分です。
メモの例
- 求めるもの
- 値引き後の支払額
- 条件
- 定価2,400円/15%引き
- 式
- 2,400×0.85
- 計算
- 15%は360円 → 2,400−360=2,040円
15%引きなら、支払うのは85%。値引き額を求めた時点で終わらず、質問に対応した答えまで進めます。
複数の途中結果を残すときは、「A=」「値引き額=」のように短い名前を付けます。数字だけを並べるより、見直すときに何の値だったか分かりやすくなります。問題が変わったら線で区切るなど、前の計算と混ざらない工夫もできます。
時間が足りないときは、暗算力だけを疑わない
練習では、答えが合ったかだけでなく、どの段階で時間を使ったかも確認してみましょう。「計算が遅い」と一括りにするより、次の練習を選びやすくなります。
| 手が止まる場面 | 確認したいこと | 練習の例 |
|---|---|---|
| 問題文を何度も読む | 何を求めるか、条件を拾えているか | 計算せず、求めるものと必要な数だけ書く |
| 使う式が浮かばない | 割合の基準、比の全体、単位を理解しているか | 解説の式を、自分の言葉で説明する |
| 式は合うが計算に時間がかかる | 大きな数をそのまま処理していないか | 分解・約分・割合の置き換えを試す |
| 途中の値を忘れる | 覚える数字を増やしすぎていないか | 途中結果を一つだけメモする |
| 何度も最初から確認する | 不安な箇所を絞れているか | 基準・単位・桁・設問との対応を順に見る |
たとえば式を立てるまでに多くの時間を使っているなら、単純なかけ算だけを増やしても、困っている部分の練習にはなりません。逆に、式はすぐにできるなら、計算を小さくする工夫や筆算の正確さに集中できます。
時間配分を練習するときは、使用する教材や受検画面の説明に合わせましょう。「難しい問題は飛ばして後から戻る」という方法を、どの受検方式でも使えるとは考えないことが大切です。画面の進め方や戻れる範囲は、受検前の案内・回答練習で確認してください。
SPI公式では、テストセンターのマイページから仕組みや回答練習の案内を確認できると説明されています。初めて受ける場合は、計算問題の学習と別に、操作にも目を通しておきましょう。SPI公式:テストの概要・回答方法に関する案内
SPIの暗算対策に使える練習問題6問
ここからは、この記事で説明した考え方を試すためのオリジナル問題です。実際のSPIの出題を再現したものではありません。まずは時間を測らず、どう計算したか説明できることを目指してください。
問題を解いてから「答えと解き方」を開いてみましょう。暗算で迷ったら、途中式を書いて構いません。
問題1|25を使う計算
36×25はいくつですか。
答えと解き方を見る
答え:900
25=100÷4なので、36×100÷4。36÷4=9を先に計算すれば、9×100=900です。
25×4=100という関係を使えるかがポイントです。
問題2|割合を分ける
320の15%はいくつですか。
答えと解き方を見る
答え:48
10%は32、5%はその半分の16。32+16=48です。320×0.15でも求められます。
自分が間違えずに進められる方を選びましょう。
問題3|小数の割り算
7.2÷0.6はいくつですか。
答えと解き方を見る
答え:12
割られる数と割る数を両方10倍して、72÷6=12です。
片方だけを10倍すると別の計算になります。小数点を動かした理由を確認してください。
問題4|値引き後の値上げ
1,200円の商品を25%値下げし、その値下げ後の価格から20%値上げしました。最後の価格はいくらですか。
答えと解き方を見る
答え:1,080円
25%値下げ後は、1,200×0.75=900円。その900円から20%値上げするため、900×1.2=1,080円です。
25%と20%の基準となる金額が異なります。差の5%だけを元の1,200円から引く方法では求められません。
問題5|比で分ける
3,600円をAとBで4:5に分けます。Aはいくら受け取りますか。
答えと解き方を見る
答え:1,600円
全体は4+5=9個分。1個分は3,600÷9=400円です。Aは4個分なので、400×4=1,600円になります。
Bは2,000円なので、合計が3,600円になることも確かめられます。
問題6|速さと単位
時速54kmで走る車は、同じ速さで20秒間に何m進みますか。
答えと解き方を見る
答え:300m
54km=54,000m、1時間=3,600秒なので、秒速は54,000÷3,600=15m。20秒間の距離は15×20=300mです。
時速54kmの54に、そのまま20秒を掛けないことがポイントです。
正解した問題でも、途中で何度も計算し直した場合は、その箇所を一つ確認してみてください。間違えた問題は、「考え方」「計算」「単位」のどこを直すかが分かれば、次の練習につながります。
計算ミスを記録して、練習する内容を絞る
復習で「ケアレスミスだった」とだけ書くと、次に気を付けることが曖昧になりがちです。何を取り違えたかを短く残しましょう。
| 間違いの種類 | 記録の例 | 次にすること |
|---|---|---|
| 割合の基準 | 値上げ率を、値上げ後の金額で割った | 計算前に「基準=元の金額」と書く |
| 設問の読み取り | 支払額を聞かれたのに、値引き額を答えた | 求めるものを短い言葉にする |
| 小数点・桁 | 整数に直した後、倍率を戻し忘れた | 式に「÷100」まで残す |
| 単位 | 時速と秒を混ぜて計算した | m・km、秒・分・時間をそろえる |
| 転記・入力 | 途中結果や入力する数字を取り違えた | 値に名前を付け、使用前に確認する |
「理解する → 自力で解く → 時間を測る」の順に進める
- まずは時間を測らずに解く。どこまで自力で進めるかを確認します。
- 止まった理由を一つに絞る。問題文、式、計算、確認のどこで困ったかを書きます。
- 解説を閉じて、もう一度解く。答えだけでなく、式の理由を説明できるか確かめます。
- 数字の違う同じ型の問題を解く。答えを覚えた状態から、考え方を使える状態へ進めます。
- 正確に解けるようになってから時間を測る。急いだときに増えるミスを確認します。
たとえば15分だけ取り組む日は、「前回の間違いを確認する3分」「同じテーマの問題を解く8分」「式とミスを振り返る4分」という分け方もできます。これは練習時間の一例です。問題数をこなすために、理解できていない部分を飛ばす必要はありません。
練習した日は分かっていても、翌日に式が浮かばないことがあります。その場合は、解き方を見直してから別の数字で試してみましょう。一度で覚え切ることを前提にせず、自分が迷う部分に繰り返し戻ります。
受検日が近い場合も、苦手をすべて同時に直そうとするより、「割合の基準を間違えない」「小数点の確認を忘れない」など、よく起きるミスから手を付けると取り組む内容が明確になります。
関連動画|計算問題が苦手な人へ
このテーマを動画でも確認したい方は、こちらをご覧ください。
YouTubeで「【就活】SPI・TG-WEBの計算問題が苦手な人へ」を見る
SPIの暗算・計算対策でよくある疑問
暗算が苦手だと、SPIは解けませんか?
暗算の速さだけで決まるわけではありません。式を立てる、条件を整理する、認められた用紙を使って正確に計算する、といった進め方も大切です。
ただし、「暗算が苦手でも対策は不要」という意味ではありません。すぐにできる基本計算を増やしながら、書いた方がよい部分を見分ける練習をしましょう。
筆算をすると、かえって遅くなりませんか?
すぐにできる計算まで全部書けば、手間は増えます。一方、途中の数字を忘れてやり直す場合は、短いメモが助けになります。
同じような練習問題で、所要時間と正答の両方を比べてみてください。自分にとって、書くべき部分を見つけることが目的です。
電卓が使える受検では、暗算の練習は不要ですか?
電卓の使用が認められていても、どんな式を入力するかは自分で考える必要があります。基本的な計算や概算は、入力結果の桁を確認するときにも使えます。
使える場合は、入力を急ぐことだけでなく、式を整理してから入力する練習も取り入れましょう。
何秒で解けば合格できますか?
この記事の練習問題について、「何秒なら合格」という基準は設けていません。これらは計算方法を学ぶための例題で、合否や得点を判定するものではありません。
まずは同じ型の問題で正確に解けるかを確認し、その後にかかる時間を比べてください。本番の時間配分は、受検方式や画面の案内に合わせて確認しましょう。
まとめ|暗算を頑張る前に、計算の進め方を整理しよう
SPIの計算対策では、すべてを頭の中で処理する必要はありません。使える道具を確認し、暗算とメモ・筆算を組み合わせて進めましょう。
- すぐにできる部分は暗算し、条件や途中結果は必要に応じて書く。
- 割合は基準、比は全体、速さは単位を先に確認する。
- 時間不足を、読み取り・式・計算・確認に分けて振り返る。
- 間違えた理由を残し、同じ型の問題で確かめる。
今日の練習では、間違えた問題を一つ選び、「どこから分からなくなったか」を見てみてください。計算の前に迷ったのか、途中の数字を取り違えたのか。それが分かると、次に取り組むことも具体的になります。


