親の「やってしまった…」は、子どもを想う証拠です

夜、子どもが寝静まった後。
ふと一人になったときに、胸の奥がチクリと痛むことはありませんか?

「さっき、あんなに怒る必要あったかな」
「ちゃんと話を聞いてあげればよかった」
「また比べてしまった…」

そんなふうに、子どもへの対応を振り返っては「自分はダメな親だ」と責めてしまう方は少なくありません。
けれど、その後悔は、間違いなく「子どもを大切に思っている」気持ちの裏返しなのです。

今回は、親が「失敗したかも…」と感じやすい対応と、そこからどう向き合っていけばいいのかを考えていきます。


叱りすぎた…その怒り、感情じゃなくて“行動”に向けてみて

「何度言ったらわかるの!」「ふざけないで!」
つい感情的になって、強く叱ってしまうこと。誰しも経験があるのではないでしょうか。

でも実は、怒鳴られた子どもの脳は“思考停止”状態になります。
反省どころか、「怖い」という感情だけが残ってしまうのです。

だからこそ、一呼吸置いて、「何がいけなかったか」を冷静に伝えることが大切。
怒るのではなく、「伝える」姿勢が、子どもの理解と行動を変えていきます。


他の子と比べてしまうクセ、ありませんか?

「〇〇ちゃんはもう九九言えるって」
「お兄ちゃんのときはもっと落ち着いてたのに」

こうした比較は、無意識のうちに子どもの自己肯定感を削ってしまいます。
特に、小さいうちに受けた“比較”の言葉は、深く心に残ります。

大切なのは、他人ではなく“その子の過去”と比べること。
「前よりできたね」「昨日よりスムーズだったね」
そんな言葉が、子どもに自信を持たせてくれるのです。


子どもの話、ちゃんと聞いていますか?

忙しい毎日。
子どもが話しかけてきても「後でね」「はいはい」で済ませてしまうこと、ありますよね。

でも子どもにとって「自分の話が聞かれた」という経験は、心の土台になります。
目を見て、少し手を止めて「それでどうしたの?」と聞くだけで、
子どもは「ちゃんと見てもらえてる」と感じます。

ほんの数秒で、子どもの心は安心に変わるのです。


「もっと頑張って」は、時に否定の言葉になる

「テストは80点か…もっと頑張ろうね」
「片付け、もうちょっと早くできない?」

こうした“もう少し”の期待は、伝え方次第で「今の自分は認められていない」と受け取られてしまいます。

親が完璧を求めすぎると、子どもは“失敗を恐れる子”になります。
大切なのは、小さな成功を一緒に喜ぶこと。
「できたね」「ここまで来たね」と、プロセスを認めてあげましょう。


謝れない親になっていませんか?

「親なんだから、謝らなくてもいい」
そんなふうに思っていませんか?

でも実は、親がきちんと謝る姿は、子どもにとって“最高の学び”になります。
「悪いことをしたら謝る」「人の気持ちを考える」
それを、言葉で教えるよりも、姿で見せることが何より効果的なのです。

「さっきは怒りすぎちゃった、ごめんね」
そう言える親は、信頼される親です。


いちばん大事なのは、「今からどうするか」

誰だって完璧な親なんていません。
時には怒りすぎるし、聞いてあげられない日もあります。
でも、そこに気づき、立ち止まり、やり直そうとする姿勢こそが、子どもに伝わる“愛情”なのです。

親の後悔は、子どもの未来に優しさとして還っていきます。

だから、自分を責めすぎず、
「今日は少しだけ、違う接し方をしてみよう」
そんな小さな一歩から始めてみてください。

それがきっと、親子の信頼と愛情を深めていく鍵になります。

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